週末の過ごし方

翔やん、翔んで“昭和”へ。
【下北沢・ニューサニー編】
氣志團・綾小路 翔が誘うレトロな小旅行

2026.05.12

1U7A8932

あの看板、あの灯り、あのアーケード─。懐かしくもどこか新しい“昭和”を探す小さな旅へ、氣志團・綾小路 翔(=翔やん)と共にいざ出発! まずは下北沢のスナックで時代を翔び越えちゃおう。

「 通いつづける」と誓いたくなる老舗の灯り

1U7A8885

1974年創業の「ニューサニー」。下北沢の夜を半世紀見守ってきた老舗スナックだ。祥子ママと奈美さんが元気よく出迎えてくれた。「昔、池の上に住んでたことがあって。下北沢は変わりましたよね」。カウンターに腰を下ろした翔やんが、ぽつりとこぼす。再開発で街は整備され、駅前の景色も様変わりした。それでも祥子ママは笑う。「変わらないのはこの一角くらいよ」。ニューサニーには、昭和の色温度が確かに残っている。

「カラオケはあまり歌わない」と語っていた翔やんだが、今夜は違う。祥子ママと奈美さんに背中を押され、尾崎 豊『OH MY LITTLEGIRL』を熱唱。翔やん節が店内に響く。ニューサニーは1曲200円。23時までは狙い目だが、深夜には満席になることが多い。

1U7A8796
キープボトルにさらりとサインを入れ、記念に一枚。ニューサニーを訪れた人は、翔やんの名前入りボトルに出会えるかもしれない!? 棚をチェックするのを忘れずに。

「お客さんで必ず『One NightCarnival』を歌う人がいるのよ」と祥子ママ。翔やんは笑う。「後ろからご本人登場で出たいわ」。若い世代が昭和歌謡を歌い継ぐ光景もあるという。「うまさより、“なりきり”が染みる」。不思議な符割、思わぬファルセット。客人の歌もまたスナックの味だ。

モノマネの話題になると、「僕、なぜかモノマネ番組の審査員になったんですよ」と苦笑する。コスプレのファンに感謝しつつ、リーゼント談議へ。「中2の法事で怒られました。でも不良は早起きなんですよ。セットのために」。そこには時代を超えた誇りがある。

杯を重ねるうちに、翔やんはさらりとボトルをキープ。「通います!」と高らかに宣言。ニューサニーの空気に心を掴まれたようだ。

灯りは朝まで。語りは尽きることがない

1U7A8558
尾崎 豊を熱唱したあとの一杯は格別。祥子ママと奈美さんと乾杯し、次の予定があることも忘れるほど、お酒を飲む手も会話も止まらない。「また終わりのない世界に踏み込んでしまった」。そう言い残し、名残惜しそうにニューサニーを後にした。

祥子ママは20時に店を開け、基本は2時まで。だが客がいれば朝まで灯りは消えない。80代の常連もいれば、女性ひとりでふらっと訪れる客も少なくないという。「人と会話したほうが若くいられるのよ」。そう笑うママ自身が、誰よりもこの夜を楽しんでいる。

最後に、スナックの魅力を聞いた。「ひと言では言い表せない」。情報化社会でも、スナックは扉を開けなければわからない。数カ月で景色も人も変わる。「どう溶け込むか、人間の質が問われる場所」。やっと大人の1年生になれた気がする、と翔やんは言う。

酒と旅を愛し、前々乗りを重ねる男にとって、スナックは新たなフィールドワークだ。学ランを着たまま、今夜も昭和へ翔ぶ。

1U7A8876

綾小路 翔(あやのこうじ・しょう)
氣志團の團長。千葉県出身。リーゼントに学ランという独自の美学で、ロックと昭和歌謡を横断。代表曲「One Night Carnival」などで知られ、エンタメ性と人情味ある言葉でカルチャー全般に影響を与えつづけている。

ニューサニー
住所/東京都世田谷区北沢2-9-13
TEL03-3469-7166
営業/2000100
定休日/日

<<スナック リー編はこちら

「アエラスタイルマガジンVOL.60 SPRING/SUMMER 2026」より転載

Photograph: Kentaro Kase
Styling: Michiko Koizumi
Make-up: Ai Yuki
Edit & Text: Mayu Yamamoto

衣装協力:アクセサリー/PUERTA DEL SOL

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. GO! GO!! 郷ひろみ!!! <br> 止まらない男と、味わいが増すレザーアイテム。<br> 【BOTTEGA VENETA】

    GO! GO!! 郷ひろみ!!!
    止まらない男と、味わいが増すレザーアイテム。
    【BOTTEGA VENETA】

    週末の過ごし方

    2026.05.01

  2. 世界のファンが熱狂する年に1度の祝祭<br>「アードベッグ・デー 2026」限定ボトル誕生<br>甘美とスモークが交差する『アードベッグ ドルチェ』

    世界のファンが熱狂する年に1度の祝祭
    「アードベッグ・デー 2026」限定ボトル誕生
    甘美とスモークが交差する『アードベッグ ドルチェ』

    お酒

    2026.05.11

  3. GO! GO!! 郷ひろみ!!! <br> 止まらない男と、味わいが増すレザーアイテム。<br>【FERRAGAMO】

    GO! GO!! 郷ひろみ!!!
    止まらない男と、味わいが増すレザーアイテム。
    【FERRAGAMO】

    カジュアルウェア

    2026.05.08

  4. VACHERON CONSTANTIN(ヴァシュロン・コンスタンタン )<br>街の数だけ、選ぶべき“時間”がある。<br>[東京と腕時計。]

    VACHERON CONSTANTIN(ヴァシュロン・コンスタンタン )
    街の数だけ、選ぶべき“時間”がある。
    [東京と腕時計。]

    腕時計

    2026.05.07

  5. コンバースの新生「オールスター」を肴に、<br>おじさんが“ゆるふわトーク”しちゃいました。

    コンバースの新生「オールスター」を肴に、
    おじさんが“ゆるふわトーク”しちゃいました。

    週末の過ごし方

    2026.05.08

紳士の雑学