腕時計
タグ・ホイヤー、 カーレースと関係の深いクロノグラフの名門
2017.06.30

2015年末にいち早くスマートフォンと近距離通信で連動する「タグ・ホイヤー コネクテッド」を開発。今年も各種の時計パーツを自分で簡単に着脱でき、多種多様なラグやストラップと組み合わせられる「タグ・ホイヤー コネクテッド モジュラー 45」を発表して世界的な話題となった。デジタル表示だけでなく、機械式時計と交換できるほか、トゥールビヨンまで可能というから驚かざるを得ない。
だが、これはタグ・ホイヤーの現代的な側面であり、その前身であるホイヤーの時代にクロノグラフの名門としての地位を確立した。歴史をさかのぼれば、1887年に時計の輪列にクロノグラフを連結・解除するクラッチの役割を果たす「振動ピニオン」で特許を取得。この発明を背景として、1920年代のアントワープ大会から3回連続でオリンピックの公式タイムキーパーを担当。

1962年には回転ベゼルを備えた初のスポーツクロノグラフ「オウタヴィア」、1963年には伝説的な長距離カーレースの名前を冠した「カレラ」、1969年には自動巻きクロノグラフを時計界初の角型防水ケースに搭載した「モナコ」を発表。スティーブ・マックイーンが1970年公開の映画『栄光のル・マン』で着用していたことはあまりにも有名だ。その後も「シルバーストーン」「モンツァ」「デイトナ」とサーキットの名前を冠したクロノグラフを製作。1960~70年代はモータースポーツの黄金時代であり、その発展とともに名声を築き上げていったのである。
クオーツショックを経て1985年にTAGグループから出資を得て現在の社名となったが、2010年には創業150周年を記念してクロノグラフ・ムーブメント「キャリバー1887」を自社開発。これを発展させた「キャリバー ホイヤー01」が2015年に登場。さまざまな素材を組み合わせられるモジュール構造のケースを活用して多彩なモデルをラインアップしている。80時間のロングパワーリザーブが特徴の「キャリバー ホイヤー02」も追加したことから、新しい伝説となる次世代のクロノグラフが誕生する気配を見せている。
「オウタヴィア キャリバーホイヤー02 クロノグラフ」。自社製ムーブメントを搭載。昨年実施の人気投票で選ばれたデザインを復刻。自動巻き、ケースはステンレススチール、直径42㎜ ¥540,000 「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー16 クロノグラフ デイデイト」。スポーティーで実用的なデザインに、クラシカルな趣が漂う。自動巻き、ケースはステンレススチール、直径43㎜ ¥495,000 「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー01 クロノグラフ」。01搭載のスケルトンでは初の直径43㎜。ブルーセラミックスのカラーが個性的。自動巻き、ケースはステンレススチール ¥560,000
問/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン 03-5635-7054
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Photograph:Fumito Shibasaki(DONNA)※1、Mitsuya T-Max Sada※2
Text:Keiji Kasaki(Team Spiral)