旅と暮らし

奇跡のような海に囲まれた、モルディブの最高峰リゾート

2017.10.06

大石智子 大石智子

奇跡のような海に囲まれた、モルディブの最高峰リゾート

One & Only Reethi Rah(ワン&オンリー・リーティラ)
モルディブ

“逃避行”とはよく聞く言葉だけれど、モルディブの「ワン&オンリー・リーティラ」ほど別世界を感じたことはない。これまで泊まったホテルのなかでも突出してラグジュアリー。エメラルドグリーンの海に浮かぶ最高峰のリゾートでの体験は、夢の時間。ひとりで泊まったことが心底悔やまれる、ロマンチックな場所でもあった……。

ひとくちにモルディブと言っても、約1200もの島々が点在し、その各島にいまや100以上の島にリゾートが建てられている。選択肢が多いなかで、2006年のオープン以来、「ワン&オンリー・リーティラ」はファンを増やしつづける王者的存在だ。

それも、顧客には国際的なVIPも多数名を連ねる。「ワン&オンリー・リゾーツ」というひとつ飛び抜けたブランド力も、安心して予約ができる理由だろう。

リゾートへはマーレの空港からスピードボートで約50分。ボートの中とは思えないリッチな造りで、乗船の時点でテンションが上がることは必至。移動時間が優雅なクルージングタイムとなるのだ。「ワン&オンリー・リーティラ」に近づくにつれブルーの鮮やかさが増し、緑豊かな島が見えてきた。天国への到着である。

美しいのはもちろん、島は想像以上に広大だ。リゾートのあるリーティラ島はモルディブ最大の島であり、総面積が44万㎡(東京ドーム9.4個分)。それゆえに計124の各ヴィラの専有面積はとても広く、ミニマムのお部屋でも135㎡という贅沢さ!

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モルディブというと水上ヴィラを思い浮かべる人が多いけれど、リゾートによっては水上ヴィラ同士の距離が近かったりする。ヴィラのテラスに出たときに隣のゲストと目が合ったり、声も聞こえてしまうかもしれない。つまり、解放的に過ごしづらい。

その点、「ワン&オンリー・リーティラ」のヴィラは大自然のなかに完全にふたりきりというプライベート空間だ。ヴィラの前にはふたりのためのビーチがあり、ヤシの木にはハンモック。4年前にはワールドトラベルアワードの「ベスト・ビーチリゾート」に選ばれた、白砂の美しさにも注目である。

夜にビーチで見た降るような星空も絶景だった。街の光の届かない漆黒の空に星が輝き、BGMは波音。というわけで、ロマンチックが止まらない! 星空好きならぜひ新月に合わせてスケジューリングを。

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ヴィラの内装は島の自然に溶け込むウッディなデザインで、何日でもゆっくりくつろげるテイスト。バスタブはベッドほどの大きさがあり、アロマをたきながら音楽をかけての入浴は至福の時だ。

また部屋によってはプライベートプールがあり、水中に枕付きのベッドが設置された仕様。泳ぐプールではなく寝るプールを初めて体験した。さらに夜になると水中が青くライティングされ、どこまでも盛り上げ上手だ。

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アクティビティのハイライトは、なんといっても亀といっしょに泳いだことだった。珊瑚礁がよく発達している「ワン&オンリー・リーティラ」周辺は、シュノーケリングに絶好のスポット。まるで竜宮城のようにさまざまな魚が泳いでいる。

そんななか、突如として目の前に現れたのが一匹の亀。亀までの距離はほんの3mほどだ。ひらひら泳ぐ亀の周りに無数の熱帯魚が舞い、神々しさに感動した。海水がクリアなために、すべてが鮮明。これまでで一番のシュノーケリングであった。

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シュノーケリング以外には、特に何もしなかった。青い海と空を前にしたら、のどが潤されていれば十分。ビーチでコロナビールを開けたり、中東料理の「ファンディータ」で夕暮れどきにカクテルをオーダーしたり、日本料理の「タパサケ」で銘酒「奈良萬」を味わったり……つまりは飲んでいた。

ちなみに「ワン&オンリー・リーティラ」では「奈良萬」を造る夢心酒造と数々のコラボを実施しており、プライベートラベルも提供。南国のリゾートに日本酒とは意外だったけれど、想像以上に杯が進んだ。特にグリーンのボトルの“おりがらみ”はほのかにバナナの風味があり、青い海とはまっていた。

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どの旅よりも予定がなかったモルディブ。美しい島の景色に、ただ身を委ねた時間がそこにはあった。寒い冬からの逃避行としても、最上級の目的地だろう。

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https://www.oneandonlyresorts.com

プロフィル
大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、年に10回は海外に渡航。タイ、スペイン、南米に行く頻度が高い。最近のお気に入りホテルはバルセロナの「COTTON HOUSE HOTEL」。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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