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ラルフ ローレンで、男の“聖域”を遊ぶ。
2017.10.30
靴下こそは男性ファッションに残された、自由が許される数少ないアイテムだ。
そもそも、大人の男性のおしゃれほどさじ加減が難しいものもなく、スーツスタイルでは個性を採り入れることがほぼご法度であり、オフのカジュアルスタイルにおいても、昨今はスタンダードかつさっぱりした装いがよしとされている。
ただ唯一、パンツの裾でほぼ覆われながら、足もとということもあって視線が届きにくい靴下だけが、装う人の主義主張を存分に込められる“聖域”として残されているのである。
そのことが関係あるのかないのか、英国の老紳士がネクタイを締めるようなシックな装いの足もとに、真っ赤な靴下を合わせているところをしばしば見かけることがある。
そういった思わずハッとさせられる小粋なおしゃれを、日本のジェントルマンにも実践していただきたい。
今回紹介する靴下は、ベースのカラーこそオーセンティックであるが、足筒の部分にかわいらしい熊のキャラクターを編み込んだラルフ ローレンの特別製。キャラクターの名前は「ポロベア」。かの有名なテディベアに発想を得て、ミスター・ローレンが独自のアレンジにて生みだした無垢(むく)なる熊のマスコットだ。
少しばかり子どもっぽい? いやいや彼は時折マティーニをたしなみつつ、誰よりも上手にトラッドスタイルを着こなす立派な紳士。それが証拠にピンストライプのスーツもネイビーブレザーも、非常に小粋に着こなしていることが、写真からも見て取れる。
いくら自由が許されているとはいえ、真っ赤な靴下ではちょっと気恥ずかしいときもあるだろう。しかしこの靴下ならそんな心配はまったく不要だ。なぜなら脚を組むような姿を見せられる相手にしか、このおしゃれな熊は姿を現すことがないのだから。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Fumito Shibasaki(DONNA)
Styling:Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Text:Tsuyoshi Hasegawa (04)