旅と暮らし
大人の東京散歩。
【第1回】浅草名所七福神めぐり その②
2017.12.26
社寺の歴史が教えてくれる、浅草のかつて
全国にある七福神巡り。一般的には7つの社寺に祭られるが、浅草名所七福神は全部で9社寺ある。これは、「九は数のきわみ、一は変じて七、七変じて九と為す。九は鳩でありあつまる意味をもち、また、天地の至数、易では陽を表す」という、数のもつ奥深さを意味する古事に基づくもので、寿老神または寿老人(じゅろうじん)は石浜神社と鷲(おおとり)神社、福禄寿(ふくろくじゅ)は矢先稲荷神社と今戸神社にそれぞれ祭られる。
そんな浅草名所七福神はかつて江戸市中でも有数の名所だったが、太平洋戦争期に中断。復活したのは、昭和52年からとなる。
SPOT.04/鷲神社(矢先神社から徒歩約23分)
酉の市で有名な鷲神社。商売繁盛や出世の神徳が深い同神社に祭られるのは、道教の開祖である老子が仙格化されたものとの説もある寿老人(じゅろうじん)。石浜神社にも同じ神様が祭られるが、そちらは寿老神となっている。福禄寿(ふくろくじゅ)と同じ、長寿の神様となる。
SPOT.05/吉原神社(鷲神社から徒歩約5分)
いわゆるお稲荷さんを祭る吉原神社。明治に吉原にあった5つの稲荷神社と吉原弁財天を合祀したものだ。場所柄、江戸時代の祭礼には花魁(おいらん)や太夫の道中行列などで賑わったとか。お祭りしているのも、七福神唯一の女性の神様である弁財天(べんざいてん)。縁結びのご利益があるとされる。
SPOT.06/石浜神社(吉原神社から徒歩約30分)
源頼朝が藤原泰衡征討の折に祈願し、大勝を納めたと言われる石浜神社。隅田川そばにあり、かつては西に富士山を望めたことから、墨田名勝八景にも取り上げられている。祭られる七福神は寿老神(じゅろうじん)。白髪長頭で、杖を持つ姿が特徴。長寿を授けるとされる。
SPOT.07/橋場寺不動院(石浜神社から徒歩約5分)
厄除け不動として不動明王を祭る、橋場不動尊またの名を不動院。明治の大火や関東大震災でも、同不動尊の周辺は被害を免れている。ここに祭られる七福神は布袋尊(ほていそん)。布袋を肩に担ぐ姿で知られるが、同不動尊に祭られる像は、布袋の代わりにふくよかなおなかを抱える。
TIPS/ご朱印を集めよう。
写経を納める際の受付印が由来で、いまでは参拝証として拝受する人が多い御朱印。必要なのは御朱印帳だけで、各寺社で志納金を納め、御朱印をいただく。七福神巡りと同じく、寺と神社で分ける必要はない。昨今は御朱印集めが女性に人気で、なかには期間限定の御朱印を用意する社寺も。
ジャケット¥78,000/イーヴォ、シャツ¥27,000/ジャンネット、カットソー¥15,000/チルコロ1901(すべてトヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567)、パンツ¥18,800、バッグ¥15,800/ともにマスター&コー(マッハ55リミテッド 03-5413-5530)、靴¥19,800/リプロダクション オブ ファウンド(アイ ファウンド 03-6434-7418)
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Sunao Ohmori(TABLE ROCK.INC)
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Hair & Make-up:Ryo(COME HAIR)
Text:Masafumi Yasuoka(BEARD MAN)