旅と暮らし

アフリカの大地を思わせる土とスパイスの香り
ポールクルーバー ピノ・ノワール

2018.02.22

写真・図版 小松宏子

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「え? これもピノ・ノワール?」というのが第一印象。南アフリカはワイン産地として躍進著しいが、「ポールクルーバー」ワイナリーは、ケープタウンのワインランドの周辺でも最も気温が低いエルギン地区に位置する。

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「ここの気候はフランスのブルゴーニュとほぼ同じと言われています。だから、ブルゴーニュが原産のピノ・ノワールには非常に適しているんです。ぶどうの成長の速度が遅いため、酸味がしっかりとのり、ミネラル感も強くなるのです」と大橋さん。なかでも「ポールクルーバー」はエルギン地区のパイオニアで、今でこそエルギンといえばワインという、ブランドづけに成功させた立役者でもあるのです。世界的に高名なワイン評論家ジャンシス・ロビンソン氏からも「南アフリカの中でも最も優秀なワイナリーとして、高い評価を与えています。

「香りがとてもスパイシー。その奥には、まるでアフリカの赤土の大地のような埃っぽい香りがあります。色はアルザスより薄いけれど、ボディはしっかりしています。ニューワールドっぽい。赤身肉のステーキをガシガシ食べるときなどにぴったりですね」とも。
ワインの熟成に使用するオーク樽をフランスの5社から取り寄せ、それぞれの特徴を生かしながら、組みあわせて熟成させるという手のかけようで、味わいの複雑さと深みを増している。

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また、ポールクルーバー氏は地域経済や地域の活性化の立役者でもある。1990年に入ってアパルトヘイトが禁止されてから、ワイナリーの黒人労働者をの生活向上を目的としたタンディ(地域の言葉で“愛”)プロジェクトを開始。タンディワインは世界的にも高く評価され、黒人スタッフも仕事に誇りを持てるようになったのだとか。

「同じピノ・ノワールというぶどうでも、気候が似ていても土が違うだけでここまで表現がこれだけ違うというのは本当に面白い。ぶどうそのものを口に入れたときよりもその差が広がっているのですから、それこそがワインの醍醐味ですね」。

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Photograph:Makiko Doi

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