腕時計
SIHH2018 ジュネーブサロン・レポート
ジラール・ペルゴ
2018.03.12

新作時計の初春到来を高らかに告げる恒例の「SIHH(ジュネーブサロン)」が1月15日から19日まで開催された。昨年は毎年3月に実施される「バーゼルワールド」からジラール・ペルゴとユリス・ナルダンが移行。今年もエルメスが新しく参加したほか、カレ(Carré des Horlogers)と呼ばれる特設会場に17ブランドが出展。大型パビリオンを構える18ブランドと合わせて、過去最多となる35ブランドが競演した。ラグジュアリーな雰囲気の中で静かな熱気が漂う会場で発表された新作から、魅力的なモデルを紹介していこう。
アクティブに使える「ロレアート」にクロノグラフとセラミックを追加
スイスを代表する老舗ブランドのひとつであり、トゥールビヨンなどの超複雑機構を得意とする屈指の名門マニュファクチュール。近年はアクティブに使いこなせるスポーツ・ラグジュアリー「ロレアート」を積極的に展開している。
「ロレアート」はイタリアの歴史的建造物からインスパイアされて1975年に誕生したコレクション。八角形の大胆で特徴的なベゼルを備えたシャープでボリューム感のあるフォルムは、新世代のスポーツウォッチとして人気を集めた。このコレクションが2016年に復活。今年はクロノグラフとセラミックケースのバリエーションが追加された。
まず、クロノグラフは30分積算計(9時位置)、12時間積算計(6時位置)、それに3時位置にスモールセコンドを持つ3つ目玉。4時と5時の間にデイト表示も備えている。ケース径は42㎜だが、38㎜のスモールサイズも用意されているので、腕の細い男性や女性にもフィットする。盛り上がったリューズガードと、その上下のプッシュボタンがメカニカルで堅牢なイメージ。ケース素材はステンレススチールまたは18Kピンクゴールド。このうちステンレススチールは腐食に強い904Lを採用している。
独特の質感を持つセラミックケースの新作は、スチールやゴールドのモデルと同じく、ポリッシュとサテン仕上げを交互にミックスしていることが特長。ブラックの一様なカラーリングではなく、磨きの違いがもたらす立体感が印象的だ。こちらもケース径は42㎜と38㎜の2種類。
どちらのコレクションも、ダイヤルには「クル・ド・パリ」と呼ばれる小さなピラミッドが林立する装飾彫りが施されている。光を様々に反射する美しいテクスチュアを店頭などで確認していただきたい。
「ロレアート 42㎜ クロノグラフ」。自動巻き(自社製「キャリバーGP3300」)。パワーリザーブ約46時間、ケースはステンレススチール、直径42㎜、厚さ12.01㎜、100m防水、\1,600,000(税抜き予価)、5月発売予定。 「ロレアート 42㎜ セラミック」。自動巻き(自社製「キャリバーGP1800」)。パワーリザーブ約54時間、ケースはブラックセラミック、直径42㎜、厚さ11.13㎜、100m防水、\1,500,000(税抜き)。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/ソーウインド ジャパン 03-5211-1791
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。