腕時計

新ブランド「ボーム」で地球を考える
[男の服飾モノ語り]

2018.07.18

写真・図版 山本 晃弘

写真・図版
  ケースサイズは、35ミリもしくは41ミリ。文字盤のデザイン、針の色、ベルトの素材や色などが選べる。www.baumewatches.com

カルティエ、IWC、ボーム&メルシエなどの高級時計ブランドを擁するリシュモングループから、ニュースが届いた。新ブランドBAUME(ボーム)の誕生である。

ブランドリーダーのマリー・シャソーは、「いまこそ地球の環境問題を考え、改善に貢献するとき」と新ブランド誕生のコンセプトを語る。例えばストラップには、コルク、コットン、リサイクルされたPET樹脂といったエコ素材が選ばれているのだ。

販売はオンラインのみ。そして最大の特徴は、時計をカスタマイズできること。ケース径、針、ダイヤル、ベルトを組み合わせて約2000通りものモデルができあがる。「自分に合う時計に出合うと、長く着用されるもの。結果、過剰在庫や廃棄などの課題の解決につながる」。自ら時計をデザインしていく過程で、環境に意識を向けることを期待しているという。

「カスタマイズ」はファッション業界でも注目されているキーワード。「自分らしさ」にこだわるミレニアル世代のニーズに、ブランド側がどれだけ応えていけるのか。そういった文脈で捉えていた筆者にとって、「カスタマイズでデザインを考えるのは、地球を考えること」といったボームのコンセプトは、新しい提案に感じられる。

「オンラインでの注文は世界中から。日本からの反応も上々」という。550ドルからの価格設定は、クオーツのデザインウオッチと考えると安くはない。しかし、環境に意識の高いアティチュード(態度)を表明する消費者が、世界にも日本にも数多くいることの証明だろう。

「タブレット端末を使って好みのデザインを体験するイベントやポップアップ店舗も、パリやロンドンで予定している。東京での実施も検討中」。それまで待つか、それともオンラインで参加するか。悩ましいところである。

プロフィル
山本晃弘(やまもと てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE編集長
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に朝日新聞出版の設立に参加。同年、編集長として「アエラスタイルマガジン」をスタートさせる。新聞やWEBなどでファッションとライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツの制作を行う。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。初の執筆書籍「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。

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