紳士の雑学

ストライプインターナショナル代表取締役社長 石川康晴
ベストドレッサー賞を受賞して――

2018.12.19

ストライプインターナショナル代表取締役社長 石川康晴<br>ベストドレッサー賞を受賞して――

日本メンズファッション協会による第47回ベストドレッサー2018が発表された。政治・経済、学術・文化、芸能、スポーツといった各分野の賞があるなか、特別賞を受賞したのが、ストライプインターナショナル代表取締役社長、石川康晴さんだ。自身のビジネスであるファッションにおいて贈られたベストドレッサー賞の意味について伺った。

——ベストドレッサー特別賞受章の感想からお聞かせください。

やはりうれしいですよね。僕らには創業から変わらない考え方で“いいことやろうぜ、カッコ良く”というのがあって、服だけではなく、生き方そのもののカッコ良さ。法人としての会社もそうですし、けん引する起業家としての生き方もそうです。それが評価していただけたのではないかと思います。

——社会的な影響力があり、それが服とマッチしたというのも興味深いですね。

今年はソフトバンクとのベンチャー立ち上げやアリババとのアライアンス締結などもありました。でもそれだけでなく、起業して今年で四半世紀になり、これまで自分がやってきたことへの評価と考えればよりうれしいですね。厳しいファッション業界で本当にちゃんとやれるのかと周囲から見守っていただいたとも言えますが(笑)。

——ファッションにひかれたきっかけとは?

影響を受けたのは祖母でした。年に数回親戚が集まると、みんな楽しそうに着物や帯の話をしていたんです。僕にはわからんけど大人は楽しそうやなと思って。それで小学生のころ、祖母から「今日の色合わせはいいね」と褒められたのがとてもうれしくて。以来、自分ながらに色の組み合わせに興味を持ち、やがて中学生になると個性的なものを着たいという気持ちになり、DCブランドに憧れました。中二病と言うんでしょうか(笑)。洋服が好きで、いまだに当時の気持ちでありつづけています。経営者としては四半世紀ですが、中二病は35年近く続いていますね(笑)。

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——最近ではご出身の岡山でのアートへの取り組みも注目を集めています。

現代アートの国際展覧会として「岡山芸術交流」をトリエンナーレ形式で3年に1回開催しています。倉敷の大原美術館、香川の直島など瀬戸内の魅力あるコンテンツとともに「瀬戸内アートリージョン」として世界に向けて発信したいと思っています。

——ファッションもその切り口のひとつである、と。

気に入った服を着て、いいアートを見て、心地よいホテルに泊まり、おいしい食事をする。それは値段の多寡でなく、自分の価値感に合うものでいいと思います。いままではバリエーションが足りなかったので、まずそのパーツを補おうと考えています。

——ご自身は、ファッションにはTPOが大切と言われますが、そのTPO自体を本人自ら作っているという感じですね。

そうですね。僕にとってファッションは生き方のひとつですが、それに人生が関われてなかったとしたら、ここまでの高揚感が47年間続いていなかったと思います。いまだに胸を張って言えるのは、ファッションは趣味だということ。ビジネスではなく、趣味だということで、まるで逆転サヨナラホームランのような高揚感が働きながらずっと続いているんですよ。

Photograph:Masahiro Shimazaki
Text:Mitsuru Shibata

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