紳士の雑学
スーツの適正サイズの正しい測り方
2019.03.19(最終更新:2020.05.14)
スーツの着こなしで好感度の第一条件は体にフィットしていること。欲しいデザイン以上に、自分の体に合ったサイズ感がポイントになります。ではどこをチェックにすればいいのでしょうか。ジャケット、スラックスそれぞれのポイントを解説します。
正しいサイズを選ぶ2つのポイント
素材やトレンド感以上にいいスーツの条件は、着る人の体に合っていること。試着は必須ですが、どこを基準にすればいいかわからない人も多いのでは。ここではチェック項目を解説します。
<ジャケットを選ぶポイント>
1.肩幅
肩がちゃんと収まっているかどうかは重要なポイント。また腕を下したときにしわが出ないこともチェックしましょう。日本人の骨格は前かがみなので、海外仕立てのものだと合わない場合が少なくありません。忘れず確認を。
2.胸回り
ビジネススーツのジャケットは2つボタンが定番。上のボタンを止めて、片手のこぶしが胸元にひとつ入るくらいがベストです。
ここが大きいとウエストのシェイプがなくルーズに。逆にボタンが留めにくく、こぶしが入らないと脇下にしわができ、窮屈な印象になります。
3.着丈
ヒップから太ももにかけての下向きの曲線がちょうど隠れる長さがベストです。長すぎるとだらしなく、逆にヒップが半分以上見える短さだと落ち着きがありません。
スラックスを選ぶポイント
1.腰回り 腰の骨にかかるのが正しいウエスト位置
ウエストはおへそ周りではなく、へその下の腰骨に引っかかるラインを指します。ここに指が1本入る程度のゆとりがあるものを選びましょう。余裕がないと苦しいうえ、これ以上大きいと、ベルトをしたときに腰回りに見苦しいしわが出てしまいます。
2.お尻回り 縦、横双方にしわが出ないように注意
お尻のカーブにフィットしていないとしわが目立ちます。大きい場合は縦に出て、お尻の下にたるみが見られます。逆に小さいと横に生地が引っ張られ、横方向にしわが出ています。動くとき以外にしわが合っていない場合はサイズを見直すか、補正を考えたほうがいいでしょう。
3.裾丈 「長過ぎず、短か過ぎず」がビジネスの基本
パンツの裾がもたつく足元ではシルエットが台無し。ビジネスマンに不可欠なフットワークを感じさせません。立った状態で靴下が見えないギリギリの長さ、あるいは靴で少し前がたわむハーフクッションが限度。試着の際には必ず靴を履いて裾の長さを決めましょう。
着られなかったスーツはサイズのお直しへ
生地自体にダメージがなくても、体型や流行の変化で着られなくなることは少なくありません。そんなときは洋服のリフォームへ。ジャケットのウエストを絞ってシャープなシルエットにしたり、またパンツのお尻回りを拡げたりすることも可能です。目安としてはジャケットのウエスト調整が5000円前後~、パンツのヒップ出しは3000円前後~。修整の度合いが多いほど時間とお金がかかることは留意してください。技術はもちろんですが、ある程度は現在のトレンドも把握しているお店を選ぶのがおすすめです。
まとめ
流行によって違いがあっても、ことビジネススーツでは自分の体型に合っていることは必須です。胸囲、腰回り、腕の長さをしっかりと把握し、必ず試着を。ジャケットではシャツを、パンツでは靴を履くのがポイントです。
①フィット感こそビジネススーツの要諦、まずはサイズを重視する。
②ジャケットは肩、胸、袖、パンツは腰、腿、裾の見え方をチェック
③自分の体型に合うために修正は不可欠。直しも含めて信頼できるお店で。
Photograph:Tomoka Tanaka(kiitos)
Styling:Yukihiro Yoshida
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)