特別インタビュー

リアルな舞台でしか得られない感動がある――。
至極のエンタメ、「ROSSO」が開幕!

2021.06.04

写真・図版
左から、大野拓朗、七海ひろき、有川ひろ。

アエラスタイルマガジンvol.50で神戸の美しい建築をナビゲートしてくれた俳優の大野拓朗さん。映画やテレビはもちろん、最近では演劇でも確実にキャリアを重ねている。どうやら、映像とは異なる生の魅力にどっぷりハマっているようだ。

「映画やテレビはカット割りがあり、音を後から入れる作業があって完成しますが、舞台はその日のものでしかない。それぞれの場面で生きているって感じがします」(大野)

そんな大野さんが出演する新作が、TBS⾚坂 ACT シアターで627日に幕を開けるColor of TheaterROSSO」。赤い靴を残して消えてしまった少女を巡る物語だという。彼女と出会い、別れ、そしてふたたび出会う主人公を演じるのが七海ひろきさん。宝塚星組の男役として人気を集め、退団後は俳優、声優、アーティストとして幅広く活躍している。170㎝を超える長身と抜群の歌唱力、切れのいいダンスで、大野さんも「男前」と称賛する凛々しさを醸し出す。

写真・図版

「歌あり、踊りあり、芝居あり、さまざまなパフォーマンスが折り重なったステージになります。観ていただく人に確実に楽しんでいただけると思いますね」(七海)

ふたり以外には同じく宝塚宙組で娘役だった伶美うららさん、乃木坂46の伊藤純奈さん、舞台経験も豊富な俳優の東山光明、内海啓貴さん。各方面から集った6名のパフォーマーがどんな舞台を見せてくれるのか、期待は高まる。

「違うキャリアを持つ人がこんなに集まるのは珍しいですね」(大野)

写真・図版

七海さんも伶美さん以外は初の顔合わせだ。

「各方面の才能が折り重なることでどんな化学反応や相乗効果が起こるか、未知の世界が今から楽しみです」(七海)

周知の通り、なかなか収束の兆しが見えないコロナ禍の打撃はエンタテインメント業界も例外ではない。多くの演劇やコンサートが中止に追い込まれ、観客の渇きを癒すように配信やブルーレイ収録が代替となっている。だが、そうした媒体を通しての鑑賞は、実際の観劇とはまったく別物。大野さんと以前から親しい作家の有川ひろさんは、無類の演劇ファンとして次のようにエールを送る。

写真・図版

「生身の人間が舞台からぶつけてくれる感情の鮮烈さ、力強さ。そのパワーは、明らかに紙に印刷された小説とは段違いの迫力です。どんな媒体でもかなわないんじゃないでしょうか。最初にブルーレイで鑑賞しても、いったん劇場に行くと次から絶対参加したくなりますね」(有川)

その言葉に七海さん、大野さんもうなずく。

「お客様が入ることで、空気、温度が確実に変わります。それによって同じ作品でも、毎回違うものになるのが舞台の醍醐味です」(七海)

「演劇には見ている人を世界に引き込み、現実を忘れさせる力があります。観終わった後に元気をもらえますよね」(大野)

その場にいる者にしか味わえない生々しい実感こそ、舞台が持つ類まれなポテンシャル。

「消えてしまうからこその輝きがあると思います。成功はもちろん、失敗してもそこからどうリカバリーするかを見たくて、同じステージなのに何度も通いたくなります」(有川)

劇場に足を運ぶことは、単なる鑑賞ではなく体験。俳優と観客のリアルな感情が交じり合う一期一会に、“コンテンツ”という呼び名ほど縁遠いものはない。今回の「ROSSO」でも、観客を巻き込むようなユニークな演出が予定されているという。孤独とリモートに疲れた今だからこそ、ぜひ大空間で忘れ難い夢の時間を過ごしてみたい。

写真・図版

Color of TheaterROSSO
出演:七海ひろき、⼤野拓朗、伊藤純奈(乃⽊坂46)、伶美うらら、東⼭光明、内海啓貴 ほか
演出:TETSUHARU
脚本:浅井さやか(One on One
公演⽇程:2021年6⽉27⽇(⽇)〜6⽉30⽇(⽔)
劇場:TBS⾚坂ACTシアター
チケット⼀般発売:6⽉5⽇(⼟)より
チケット料⾦:12,000円(前売・当⽇共/全席指定/税込)
主催:Color of TheaterROSSO」製作委員会
https://color-of-theater.com

プロフィール
七海ひろき/2003年宝塚歌劇団に入団。20193月宝塚歌劇団を退団後、同年8月、キングレコードよりメジャーデビュー。2020年舞台「REDBEAR」で主演を務める。主な出演作として、舞台「刀剣乱舞/灯」「ROAD59-新時代任侠特区-」他、TVアニメ作品に声優として出演。今夏、77日にミニアルバム「FIVESTAR」のリリースが決定。10月には明治座公演「令和千本桜~義経と弁慶/コロッケものまねオンステージ2021」の出演が控える。

大野拓朗/1988年、東京都出身。2009年に第25回ミスター立教に選出。10年に俳優デビュー。NHK連続テレビ小説や大河ドラマに出演するなど、映画やドラマ、CMなどで幅広く活躍。この作品後も、8月から全国主要都市で公演するブロードウェイ・ミュージカル『エニシングゴーズ』(原田 諒演出)にヒロインの相手役として出演予定。

有川ひろ/小説家。高知県出身。2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、翌年に同作にてデビュー。SF的なタッチから実生活をモチーフにしたものまで、幅広くエンタテインメント作品を手がける。『図書館戦争』や『三匹のおっさん』など、映像化された著作も多数。宝塚を題材にした短編小説「Mr.ブルー」が公開中。今後の刊行予定は8月に『みとりねこ』(講談社)がある。

Photograph : Matsuzaki Hiroyuki(INTO THE LIGHT)
Text:Mitsuhide Sako

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. 写真・図版

    ファッショントレンドスナップ106
    イタリア生まれのGジャンが人気急上昇。
    そのブレークの理由とは?

    カジュアルウェア

    2021.06.02

  2. 写真・図版

    1970年代と“いま”をつなぐ、
    オニツカタイガーのスニーカー。

    2021.06.22

  3. 写真・図版

    より開かれたパブリックな建築へ。
    気鋭建築家ふたりが語る
    新たな価値としての“別荘”とは?【後編】

    週末の過ごし方

    2021.06.22

  4. 写真・図版

    こと足りてないのがこれからのぜいたく。
    気鋭建築家ふたりが語る
    新たな価値としての“別荘”とは?【前編】

    週末の過ごし方

    2021.06.16

  5. 写真・図版

    昨年登場し大ヒット!
    梅雨の季節に使いたい、
    マッキントッシュのおすすめアイテム。

    小物

    2021.06.17

紳士の雑学

調べ・見立て