特別インタビュー
パタゴニア日本支社 支社長
マーティ・ポンフレー インタビュー[後編]
[ニッポンの社長、イマを斬る。]
2022.12.01
高齢化は問題というより大きなチャンスでは?
20代、30代のキャリア形成期を日本で過ごし、最大の転機を経てマーティは再び日本にいる。高齢化社会が取り沙汰されるこの国で暮らし、日々思うこともある。「さまざまなスキルを持ち、知識を構築してきた世代でもある。一斉に動けばすごい力になるんじゃないかってね。高齢化は問題のように扱われているけれど、同時に大きなチャンスではないかと感じもする。個人的によく考えることだよね」
毎朝、オフィスに行く前にヨガや瞑想を10分から15分ほど行う。パタゴニアに入社する以前からの習慣になっているという。多忙ながら趣味は豊富、アウトドアはもちろん、読書と音楽、飼い犬と遊ぶのも大切な時間だ。そんな彼に人生を楽しむためのアドバイスを尋ねると「マルチタスクをしないこと」だと即答する。
「一度にひとつだけ。2つのことを同時に進めようとすると中途半端な形にしかならない。目の前のことに意識を集中することで、より平和な、平穏な心持ちで向き合える気がしている。自分がこれまで守ってきたことではあるかな」
そう言ってほほ笑んだ。
プロフィル
マーティ・ポンフレー
1970年生まれ。米国・ミズーリ州出身。日本ではナイキジャパンでキャリアをスタートした後、カテゴリーセールスマネージャーに就任。腕時計のフォッシルジャパンを経て、アメリカ本社で複数の副社長ポジションを歴任した。2007年以降はコンサルタント、起業家として多数のプロジェクトに携わる。19年10月にパタゴニア・インターナショナル・インクの日本支社長に就任。写真は「パタゴニア」鎌倉ストアにて。
Photograph: Kentaro Kase
Text: Mariko Terashima