週末の過ごし方
半蔵門『三貴苑』で“麺喰い”マッチも驚く
絶品つけめんに舌つづみ!
マッチと町中華。【第12回】
2024.04.12
どんなときでもギンギラギンに人生を謳歌(おうか)するマッチがあの町、この町の味アリな中華料理店をめぐりながら、ラーメンをすすり、ときにはビールを飲みながら餃子を頰張る、わんぱくな大人のための食の探訪記。今回、訪れたのは“麺喰い”のマッチも舌を巻くほど麺料理が豊富な、半蔵門の『三貴苑』。カモフラージュ柄のジャケットをまとったマッチのレアな“おかモッチ”姿にも注目!
町中華を訪れたら「餃子にはじまり、麺で締める」のがマッチの流儀。昔ながらの支那そばや上海焼きそば、冷やし中華にも目がないが、子どもの頃から変わらない好物は神奈川名物、サンマーメン。家族で近所の中華店から出前を取り、熱々をすするのが至福だったという話を以前、本連載でも語ってくれた。
「おばあちゃんもお父さんも大好きだったから、みんなでよく食べましたね。僕は熱いのは全然平気。出前だとサンマーメンの丼にピチッとラップが張ってあって、汁をこぼさないようにゆっくりはがすのもちょっと緊張感があって好きでした(笑)。このあいだ、誰かが言っていたんだけれど、熱いのが苦手という人はいても猫舌の人って世の中にいないらしい。どう食べるかがポイントで、舌の奥だったり中心だったり、熱さを感じにくいところで食べるようにするといいんだって。僕はなるほどなぁとすごく納得したけど、試すときはくれぐれもヤケドに気をつけてください(笑)」と物知りマッチ。
横浜の町中華に行った際はサンマーメンをすすりながら「まさに、この味!」と感動していたマッチと今回やって来たのは、半蔵門の『三貴苑』。小さな店ながら、麺料理のバリエーションはなんと20種以上。マッチの好物のサンマーメンはないものの、かたい焼きそばややわらかい焼きそばなどカテゴリごとに分けられたメニューは“麺喰い”の心をときめかせる。
国会議事堂が近いことから出前も多く、店の前には大小のおかもちがずらり。食品サンプルが並べられたショーケースを眺めながら「看板といい、この外観といい、町中華の正解ここにありという感じ」とマッチもうれしそうだ。さっそく入店し、メニューを眺めるマッチ。
ビールと一緒に運ばれたザーサイをつまみながら「これがおいしいお店はまず間違いないよね。ほかの町中華ではあまり見かけないアサリの紹興酒漬けとか、気になる料理がいっぱい。まずは餃子と行きたいところだけど、これだけ麺があるとそこに集中したくなるね。黄金チャーハンも食べたいから、餃子は次回のお楽しみにとっておこうかな」と真剣な表情。私生活でも仕事でも、決断が早いマッチがメニュー選びに迷う姿はなかなか新鮮だ。
「何事もやるからには全力投球、というのはずっと変わらないから(笑)。人生は選択の連続というのはよく言われるけれど、この年まで僕自身、さまざまな選択をしてきたと思います。直感のときもあったし、信頼するスタッフや先輩にアドバイスをいただいたこともあった。その選択がすべてよかったかというとまだわからないこともあるけれど。麺を選ぶのに、こんなことを考えるなんて、やっぱり町中華は奥が深いね(笑)」と話しながら、野菜五目あんかけつけめんと黄金チャーハンを注文する。
厨房からはジャッジャッと油のはぜる音と共に食欲をそそる香りが。「やっぱり、このライブ感が町中華の魅力だよね」と目を細めるマッチのもとに、まずつけめんが運ばれる。
熱々大歓迎のマッチがつけめんを注文するのは珍しいが、冷たい麺を具だくさんのつゆにたっぷりと絡めてすすり「これは新感覚。麺がもちもちしていてすごくおいしい!」と目を丸くする。ジャージャー麺のたれで味変をするのもおすすめ、と店のスタッフに聞き、さっそくトライ。「そのままでもおいしいけれど、上品なつけだれにコクが出てこっちも好き」とマッチ。
続いて、店自慢の黄金チャーハンが登場すると「待ってました!」とひとすくい。メニュー名に“黄金”とついているとおり、通常のチャーハンよりも黄みがかった色が印象的だ。全卵ではなく黄身のみを2玉分使用していると聞いて「だから味もリッチなんですね」と納得するマッチ。
お店のデリバリー歴数十年というベテランスタッフに、多いときで一日40軒以上の出前注文が入ると聞き「1度持ってみたかった」というおかもちをさげて、半蔵門の町を歩く“おかモッチ”。「中身は空なのに結構重い(笑)。おいしいつけめんとチャーハンをたっぷりいただいたので、トレーニングがてらこのままおかもちを担いで帰ろうかな」と上機嫌で店を後にした。
三貴苑
東京都千代田区麹町1-8-8
TEL/03-3234-1247
11:00~21:30(土・日・祝は20:30まで)
月曜休み 21席
近藤真彦(こんどう・まさひこ)
1964年生まれ。歌手、俳優、レーシングチームオーナー兼監督、実業家。1979年テレビドラマ『3年B組金八先生』でデビュー。1980年以降はソロ歌手として、『スニーカーぶる~す』『ギンギラギンにさりげなく』『ハイティーン・ブギ』『ケジメなさい』『愚か者』などなど、ヒット曲を多数発表。現在もコンサートやディナーショーで多くの観客を魅了し、そのスター性は健在。
NEWS!
<マッチと町中華。>ステッカーが完成!
マッチさんが訪れた店舗には、ご本人からオリジナルステッカーをお配りすることになりました。記事掲載された店舗に足をお運びの際は、このステッカーを探してみてください!
Photograph: Akira Maeda(MAETTICO)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: GONTA(weather)
Text: Keiko Kodera