大人のためのメンズ美容。
第1回 基本のスキンケアを見直す

「メンズ美容」という言葉を耳にする機会が増えた昨今。さまざまなスキンケアアイテムも登場し、化粧水や保湿を日々のルーティンに採り入れている人も多いだろう。だが、ちょっと待ってほしい。本当に自分の肌に合ったケアができているだろうか？　“なんとなく”のやり方が、実は肌トラブルの原因になっていることも。そこで今回は、モデルであり美容のプロでもある櫻井貴史さんと諸橋幸太さんに、メンズスキンケアの基本と、実際に使ってよかったおすすめのアイテムを教えてもらった。

――スキンケアにおいて、絶対にやらなきゃいけない、または使わなきゃいけないアイテムってありますか？

櫻井貴史（以下、櫻井） 基本的に、絶対に使わなきゃいけないアイテムってないんですよ。自分の肌質に合ったもの、肌が必要としているものを使うことですね。意外と自分の肌タイプをわかっていない人が多いと思うんです。
そこでおすすめしたいのが百貨店やモールなどの化粧品売り場で肌診断をしてもらうこと。乾燥肌や混合肌など、水分量や油分量を測ってもらうことで、自分の肌質がすぐにわかるんです。見た目はテカテカしてるけど、実はドライ肌だったって話もよく聞きます。
無料でやってもらえるので、外出時のついでに寄ってみるのがいいんじゃないでしょうか。リスクで言うと、診断してもらったお店の化粧品をお勧めされて買わされちゃうっていうのがありますけど（笑）。

諸橋幸太（以下、幸太） あるね（笑）。もちろん気に入ったら買えばいいし、でも肌診断だけしたいのであれば「ありがとうございます！　また来ます」って、サッと去れば大丈夫です。

――自分の肌タイプを理解しておくことは大切ですね。合わないのを使いつづけている可能性もありますし。

幸太 昔の“男性あるある”だと、とりあえずメントールを使っておこうって人が多かった。爽快感と使い心地で選んでいるんでしょうね。ただ、若い頃は十分にあった水分量が年齢を重ねるとともに減ってくる。でも、ベタつくのは嫌だからと変わらずさっぱり系を、大人になっても使いつづけている人がいらっしゃる。
実際はドライ肌なのにさっぱりタイプのアイテムを使っていると、水分量が足りずに乾燥して肌荒れしたり。結局トラブルにつながりやすいんです。あと、つけ方も気をつけてほしい。たとえば、化粧水。絶対に強くこすっちゃだめ！　肌を傷つけてしまう可能性があります。何十年も前から言われていることですけどね。

櫻井 化粧水って、摩擦を減らすためにもしっかりとした量を使うことが大事なんです。少量を無理に伸ばそうとすると、どうしてもこすってしまう原因になりやすい。
だから僕は、「ちょっと多すぎるかな？」くらいの量を取って、肌の上にしっかりのせてから、ハンドプレスでやさしくなじませるようにしています。押し込むというより、軽く包み込むように手を当てるくらいで十分。肌が必要な分だけを自分で受け取ってくれる、そんな感覚です。

――洗顔も強くこすっちゃだめと昔から言われてますよね。

櫻井 そうですね。洗顔は、こすらず泡でやさしく洗うのが基本です。洗顔料も自分の肌状態や季節に合わせて選ぶのが大事だと思います。

幸太 しっかり泡立てて、泡で押し洗いするように使うだけでも、肌の汚れはきちんと落ちますよ。究極を言ってしまうと、そこそこの汚れはお湯で落ちるんです。でも、毛穴に詰まった汚れなどは落ちにくいので、そこは泡でやさしく押し洗いしてあげることが大切です。日焼け止めを塗っている方は、クレンジング剤でしっかり落としてから洗顔料を使うのを忘れずに。

櫻井 洗顔後は、なるべく早く化粧水をつけることを意識してほしいですね。顔を拭いた後の肌は乾燥しやすくなるので、お風呂で洗顔した場合は、お風呂を出たらすぐに化粧水をなじませるのがおすすめです。お風呂あがりは肌がやわらかくなっていて、スキンケアもなじみやすいタイミング。
めんどくさがりな方は、スキンケアアイテムを脱衣所など手の届くところに置いておくと、ルーティン化しやすいと思います。スキンケアの順番は、化粧水 → 美容液 → 乳液（またはクリーム）が基本。もちろん、メーカーによっては最初に使う導入オイルがあったり、乳液からスタートする処方のものもありますが、「油分の多いものを最後に持ってくる」というのが、ひとつの基本的な考え方です。

――では、おふたりがおすすめする美容アイテムを教えてください。

櫻井 まずは僕が監修という形で関わらせていただいた「ニュートラ ブイシー ピュアセラム トゥエンティエヌ オム」(4)は、ビタミンC誘導体を20％配合した、シンプルかつ実感のある一本です。
ビタミンCって繊細な成分なんですが、miravc®という技術で安定化されていて、中性（pH6〜7）でやさしい使い心地になっています。使った印象としては、しっとりとした保湿感があるので、乾燥しやすい肌には特に頼れると思います。スポイト1回分を洗顔後に肌になじませるだけなので、ケアに慣れていない方でも採り入れやすいですね。
無香料・無着色・パラベンフリーで、男性にも女性にもおすすめできるジェンダーレスな処方になっているので、パートナーとシェアして使っていただくのもいいと思います。

幸太 俺のおすすめも紹介させてもらいますね。まずは化粧水「FAS ザ ブラック エッセンス」(8)。これはどんな肌タイプの人にも対応できる優れものです。高保湿ではないし、軽いわけでもない。とにかくバランスがいい。ちゃんとスキンケアをやってこなかった人が初めて使うアイテムとしてもおすすめです。
そして美容液は「シセイドウ メン アルティミューン™ パワライジング セラム」(10)。テクスチャーがすっと肌になじんでくれて、香りもいい。この夏にリニューアルされて、保湿効果が高まったのも魅力。こだわりを感じるデザインのパッケージも持っているだけで気分が上がると思います。

櫻井 長きにわたって男性の肌を研究してきただけあって、資生堂のメンズアイテムは成分もいいよね。成分で言えば、僕のおすすめするイナータスのクリーム(6)もすごくいい。ペプチドがぜいたくに配合されていて、絶妙な保湿感。まだ暑さの残る時期なので、僕自身はあまりたっぷりとは使っていませんが、つけた化粧水のうるおいをしっかり守ってくれる感じがあって、量を抑えても頼もしさがあります。
肌に軽くなじんで、べたつきにくいのもこの季節にはうれしいポイントですね。特に秋冬には頼れる一本で、保湿しすぎることなく、それでいて物足りなさも感じません。バランスがとてもよくて、個人的にはすごく使いやすいです。香りがほとんどないので、好みを問わず取り入れやすいんじゃないかな。

――櫻井さんおすすめの洗顔アイテムも気になります。

櫻井 洗顔でおすすめしたいのが、泡立てネットの「プラウドメン マイクロフォーミングネット」(3)。これまでいろんなネットを試してきましたが、これは本当に泡立ちが別格です。ネットが二重構造になっていて、外側と内側で異なる素材を使っているので、きめ細かくてコシのある泡がつくれるんです。
併せて使っているのが、カネボウの洗顔フォーム「スクラビング マッド ウォッシュ」(5)。肌への負担が少ない崩壊性のスクラブが入っていて、洗い上がりがすっきり。この洗顔料、泡立てネットを使うと少量でもしっかり泡立つので、個人的にはすごく気に入っています。普段の半分くらいの量でも十分足りるので、1本でかなり長く使えるのもうれしいポイントです。

幸太 洗顔ネットは一家にひとつは必携だよね。で、洗顔後にサッと時間をかけずにケアをしたい人におすすめなのがオールインワンアイテム。特に「ディズム オールインワンジェル」(7)は使いやすい。乾燥肌ならモイストを、油分が多いならライトを。自分の肌に合った方を選ぶといいですね。
または、夏場はライトで冬場はモイストという使い方もできる。これに日焼け止めが入ったものもあるので、夏はそれを採り入れるのもいいかも。ジムやゴルフ終わりのシャワー後なんかにも重宝すると思います。

――いっぽうで幸太さんおすすめのシスレーの美容液はしっかりスキンケアをやりたい人向けですよね？

幸太 ですね。「シスレー エコロジカル コムパウンド アドバンスト」(9)はシスレーのなかでも長年愛されている逸品。ジェンダーレスであり、肌質も問わずに使えるのが魅力です。肌にすんなりなじむテクスチャーで、つけるだけでリッチな気分になれるのもいい。翌朝の肌の調子も違います。櫻井おすすめの炭酸ミスト化粧水のメグリー(1)もしっかりスキンケアしたい人向けじゃない？

櫻井 そうだね、これは本体に専用のガスと化粧水をセットして使うタイプで、シュッとひと吹きするだけでOK。粒子が細かく、高濃度炭酸と化粧水成分が、肌にスッとなじむ感じで使いやすいのが特徴。化粧水の種類も混合肌向けやノーマルタイプなどがあって、肌質に合わせて選べるのもうれしいポイント。最初にセッティングする手間は少しあるんですが、一度セットしてしまえば意外と手軽なんですよ。

幸太 セットして洗面台に置いておけばいいもんね。プロっぽい気分にもなれると思う。で、最後に紹介したいのが、この夏時期だからこそ考えたい紫外線対策アイテムです。多少浴びるのは問題ないですが、紫外線はシミ・しわ・たるみ・乾燥・肌荒れなど、肌に与える影響がよくない。そこで、スティックタイプの日焼け止め「ココサンシャイン フェイススティック」(11)を。
スティックだから塗るのも楽なんです。サーフィンや海水浴など、アウトドアアクティビティ時におすすめ。海にやさしいセーフリーフ処方かつ、マリンスポーツにも対応できるウォータープルーフで、自分はサーフィンするときに必ず塗っています。透明、白、色つきのものと種類もあるから、好みに合わせて選べるのもいい。透明や色つきのものは白浮きしにくいから、男性ならこれだけ塗っちゃえば顔色も気にしなくていいと思います。
あと夏以外のスポーツで、たとえばスノーボード。雪面からの紫外線反射や標高の高さの影響で、意外と日焼けしやすいんですよね。そんなときにも役立ちます。

櫻井 これは確かに使いやすい。このUVカットスプレーも良さそうだよね。

幸太 「ボッチャン UVプロテクターエブリデイエブリウェア UVカットスプレー」(12)は、ベタつかないし白浮きもしにくいから使いやすいんだよ。俺の場合は、朝クリームタイプの日焼け止めを塗って、外出時の塗り直し用として使っています。メーカーの方にも聞いたけど、それがスプレータイプの日焼け止めの本来の使い方なんだって。
日焼け止めって、2時間くらいで徐々に効果が落ちていくから、塗り直しは必須。コンパクトサイズなので、焼けたくない人や焼けやすい人はバッグに常に忍ばせておくのはどうでしょう。パッケージも可愛いから、ギフトとしても活躍してくれると思いますよ。

１）【メグリー】スキンセンサー
デバイスを使用して、専用化粧水を超微細ミストにし、炭酸を高濃度のまま角層最深部まで届けてくれるメグリー。専用化粧水のひとつ「スキンセンサー」は混合肌特有の乾燥・テカリを1本でケアする優れもの。Tゾーン・Uゾーンで違う水分・皮脂量に適切にアプローチし、肌が本来持つ保湿力をサポートしてくれる。
￥3,300（専用デバイス付セット￥30,000）／MTG（MEGLYカスタマーサポート 0120-808-008）

２）【プラウドメン】クレイフェイスウォッシュ
汚れに乾燥、肌荒れも気になる大人の男性の肌を考えたクレイタイプの洗顔料。肌にやさしいこんにゃくのスクラブ、そして3種の天然クレイと炭が皮脂・毛穴の汚れ、黒ずみまでしっかり吸着。濃密泡が繊細な肌をやさしく包み込み、うるおいを守りながら、汚れをすっきりと落としてくれる。洗い上がりはつっぱらず、すべすべ肌に。
120g ￥2,420／プラウドメン（プラウドメンお客様相談室 0800-1111-636）

３）【プラウドメン】マイクロフォーミングネット
4層構造の洗顔ネット。網目の大きい内側2層のネットが空気と水を効率的に取り込み、たっぷりの泡を素早く作り出し、目の細かい外側2層のオーガンジー素材によって、きめ細かくクリーミーな弾力泡を完成させる。濃厚な泡がへたることなく長時間弾力性を保持するため、ずっと同じ泡の状態で洗顔が可能。
¥660／プラウドメン（プラウドメンお客様相談室 0800-1111-636）

４）【ニュートラ ブイシー】ピュアセラム トゥエンティエヌ オム
うるおいのあるキメ、ツヤのある肌へと導く美容液。毛穴＊1、ハリ、キメ、ツヤなどの気になる悩みへ全方位的にアプローチしてくれる。敏感肌の人も使える＊2ビタミンC誘導体（アスコルビルグルコシド、炭酸水素Ｎａ<整肌成分>）を配合。もっちりとしたやわらかなつけ心地、かつ溶け込むように肌の角質層まで浸透。保湿効果が高く、肌の土台ケアとしてもおすすめ。家庭用イオン導入器にも使用可能だ。
30mL ￥16,500／ニュートラ ブイシー（マーベセラー 0120-544-343）
＊1：肌の引き締めにより毛穴を目立ちにくくすること
＊2：すべての人に刺激が起きないわけではありません

５）【カネボウ】スクラビング マッド ウォッシュ
肌に吸い付くような生泥感触のペーストが3段階に質感変化する洗顔料。クレイが皮脂を吸着し、スクラブが古い角質や汚れなどのざらつきを除去。ぺったりと密着するテクスチャーながら、水を加えるとすぐに濃密な泡となり蓄積汚れを浮かせてリリース。洗い上がりはすっきりと、すべらかで明るい肌に。
130g ￥3,080／カネボウ（カネボウインターナショナルDiv. 0120-518-520）

６）【イナータス】リフレッシングクリーム
使いつづけることで肌荒れを防ぎ、ハリとうるおいに満ちた肌へと導くクリーム。肌のターンオーバーを整え、バリア機能を高める「アルテロモナス発酵エキス」を配合し、ポリューション（汚染）により敏感になった赤み肌をやさしくケア。日焼けによるシミの発生を根本から抑制し、加齢によりできたシミにもアプローチしてくれる。
40g ￥8,800／イナータス（イナータスカスタマーサービス0120-174-468）

７）【ディズム】オールインワンジェル モイスト・ライト
大人の男性にうれしいナイアシンアミド５％配合で手軽に本格的なケアがかなう、2タイプの1本多機能オールインワンジェル。しっとりタイプは化粧水・乳液・美容液・クリーム・マスクの5つの機能を集約し、肌のうるおいを一日中ずっと継続。しっとりうるおうのにベタつかないのも◎。一方のさっぱりタイプは化粧水・美容液・乳液の3つの機能が入った、軽いつけ心地が魅力。気持ちよく整っていく肌に。
90g 各￥2,420／ディズム（アンファー お客様相談窓口 0120-059-595）

８）【FAS】ザ ブラック エッセンス
テクスチャーが角質層まで浸透するため、しっとりふっくらな肌へと育む化粧水。保湿効果のあるファス独自成分の黒米発酵液を90％配合し、まるで美容液のような質感を持つ。テクスチャーはさらりとしているため、暑くなる季節にもぴったりの気持ちいい使い心地。また、敏感肌の人にも使える低刺激なアイテムに仕上がっている。
200mL ￥11,550／FAS（シロク info@fas-jp.com）

９）【シスレー】エコロジカル コムパウンド アドバンスト
現代の過酷な肌環境にアプローチする美容乳液。肌本来の機能を高め、免疫力向上をかなえてくれる。使いつづけるほどに、外的要因による乾燥などに負けない肌へ。ベタつかずにすっとなじむまろやかなテクスチャーも人気。すべての肌タイプ、性別や年齢を問わずに使用可能。また、デイリースキンケアとして一年中活躍してくれる。
125mL ￥39,600／シスレー（シスレージャパンcustomerservicejp@sisley.fr）

10）【シセイドウ メン】アルティミューンTM パワライジング セラム
2025年7月にリニューアルして登場した高機能エイジングケア美容液。肌の乾燥、ざらつき、毛穴の目立ちなど、男性のエイジングサインに全方位から対応。うるおうことで乾燥による小じわを目立たなくし、なめらかで引き締まったハリのある肌＆清潔感のある印象へと導く。アフターシェーブローションとしても快適な使い心地。
50mL ￥15,180／シセイドウ メン（SHISEIDOお客様窓口 0120-587-289）

11）【ココサンシャイン】フェイススティック
敏感肌の人や環境に配慮した、ノンケミカル処方（紫外線吸収剤不使用）の日焼け止めスティック。汗や水でも落ちにくい強力なベリーウォータープルーフ機能で、あらゆるスポーツシーンでの紫外線も長時間ブロック。繰り出しタイプで伸びがよく、手がベタつかずにさっと塗れるのもうれしい。日常使いはもちろん、マリンスポーツ時も安心して使用できる。
SPF45 / PA+++　17g ￥3,190／ココサンシャイン（スナイプ スポーツ コスメティックス 03-5623-2591）

12）【ボッチャン】UVプロテクターエブリデイエブリウェア UVカットスプレー
ベタつかないサラサラなテクスチャーで、白く残りにくい日焼け止めスプレー。水分や汗で崩れにくいウォータープルーフ処方。腕や足、胸や背中など広範囲な部分にもさっとつけやすく、予想以上に日焼けによるダメージを受ける髪や頭皮にも使える逸品。紫外線を防ぐだけでなく、排気ガス、ほこり、花粉、細菌などの外的汚れをキャッチし、清潔な肌環境を保ってくれる。
SPF50+ / PA++++　85g ￥2,750／ボッチャン（アンド・コスメ mail@botchan.tokyo）

モデル・美容ジャーナリスト
櫻井貴史さん（左）
各種美容メディアにて執筆、審査員、コメンテーターとして活躍。最新の美容理論から実践的ケアまで幅広く発信。日本一雑誌の表紙を飾った日本人男性ファッションモデルとして知られる。

モデル・美容家
諸橋幸太さん（右）
香港や台湾、 タイなどアジアを中心にCMや広告などに出演。日本ではファッション雑誌やMCなど、モデルだけにとどまらず活躍中。また、2015年より本厚木でカフェ併設のヘアサロン「BEACH TREE」を経営。日焼けした健康的な肌がトレードマーク。