紳士の雑学
知っておきたい、パンツのディテール
[ポケット]
2018.02.14
ウエストシェイプが導くシルエットの妙。伝統的なあしらいに込められたTPOとの相関関係。手の込んだ仕立て業が生み出す軽快な着心地…。それらの差異に目を向ければ、スーツスタイルは実に楽しい。「神は細部に宿る」とは近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエの言葉。それは、大人の男の装いにもあてはまる。
Pocket of Pants パンツのポケットの種類
ストレート(サイド)
脇に真っすぐにつけられたポケット。座ったときに切り口が開かないように、わずかにカーブをつけて作られている。アメリカン(サイド)
傾斜させて、手の入れやすさを考慮したポケット。アングルド、あるいはスランテッドポケットと呼ばれることもある。
エルポケット
L字形にカットされた腰ポケット。スポーティな趣が強い。水平に流れることからホリゾンタルポケットと呼ばれることも。片玉縁(ヒップ)
切り口の片側を細く縁取る(パイピング)仕様。ボタン留めの場合もある。シングルピザム、シングルパイプドともいう。
両玉縁(ヒップ)
切り口の両側に細く縁取りを当てたポケット。ジェッテッドポケット、ダブルピザム、ダブルパイプドとも呼ばれる。フラップ(ヒップ)
雨やほこりの侵入を防ぐふたがついたポケット。ふたにボタンがつくものや、あるいは片側にのみふたがつくという仕様も多い。
フォブポケット
右腰につく小さなポケット。フラップがない場合もある。懐中時計をしまっていたことから、ウオッチポケットの呼称も。
ピンループの使い方

ピンループとは、ベルトのピンを通すためのループの通称。バックルの左右のずれ、フライ(前立て)上部にシワがつくのを防ぐ。
出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)