靴
モカシンの通称でパリっ子に愛されてきた、
ジェイエムウエストンのローファー180
いま欲しい、憧れの靴6選
2020.02.19

伝統的な技術に裏打ちされた確かなつくりの靴である。そのうえ希有な素材が用いられていたり、あるいはユニークな逸話に彩られていたり、誰しもが強い憧れを抱く別格の逸品を選りすぐって紹介する。
ブランドを代表する名品の誉れ高い「ジェイエムウエストン」の「シグニチャーローファー 180」の登場である。誕生は1946年。それ以降70年余り、その時々を映すエスプリが吹き込まれながらも、独自のシルエットを守りフレンチエレガンスの主役として愛されつづける存在だ。
誕生以来変わらず採用されてきたラスト「41」でアッパーを仕上げ、リブテープを使わない手の込んだグッドイヤーウェルト製法の底付けでより良いフィット感を求め成形されたローファー180には、20種近いアッパーのバリエーションが用意されているが、ここでは、これぞ代表格と呼ぶべきブラックボックスカーフを使用したモデルを取り上げた。
独自の表情を生むサドルとエプロン

独特のステッチワークで取り付けられたハーフサドル、ボリューム感のあるラウンドトウ、ショートノーズのフォルム、Uチップモカシンのエプロン、これらが合わさって、ローファー180ならではの個性的な顔が形作られる。ソールは自社のタナリー「バスタン」で作られるブラックレザーソールを使用する。
Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Text:Kouki Nakasu