接待と手土産

「ヤマロク醤油」の鶴醤(つるびしお)
すべて実食! 自慢の手土産 #76

2021.11.17

「ヤマロク醤油」の鶴醤(つるびしお)<br>すべて実食! 自慢の手土産 #76

2倍の材料と月日をかけて仕込む、木桶づくりの本物の醤油

当たり前のように毎日使っている醤油だが、知らないところでその伝統を守っている人がいる。醤油通のあいだでは有名な「ヤマロク醤油」は、香川県小豆島でおよそ150年、昔ながらの木桶づくりによる、本物の醤油にこだわる蔵元だ。木桶は発酵に欠かせない乳酸菌や酵母菌などの微生物にとっては最高の環境だが、温度管理が難しく、仕込みに驚くほどの手間と時間がかかる。しかし、蔵を預かる五代目・山本康夫さんは、本物の醤油を子や孫の代まで伝えていきたいと、全量木桶仕込みを続けている。

私の一番のおすすめは、なんといっても「鶴醤(つるびしお)」。深いコクとまろやかさを極限まで追求したヤマロク醤油の自信作だ。1~2年熟成させた生醤油を一度桶に戻し、仕込塩水ではなくこの醤油の中へ大豆と小麦を加え、さらにもう2~3年仕込む再仕込み製法で造る。この間、ただ寝かせて置けばいいわけではなく、発酵が始まったら一日も休まず、毎日汗だくになりながら桶のひとつひとつを丁寧に混ぜる、通称「地獄のもろみ混ぜ」が欠かせないのだ。

次ページ日本の発酵文化を守るために木桶づくりから学ぶ

1 2 Next

買えるアエラスタイルマガジン
AERA STYLE MARKET

装いアイテム

おすすめアイテム

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. 町田啓太、衝撃のルーツを知る。<br>NHK『ファミリーヒストリー』をお見逃しなく!

    町田啓太、衝撃のルーツを知る。
    NHK『ファミリーヒストリー』をお見逃しなく!

    週末の過ごし方

    2023.11.10

  2. 「すや」の栗きんとん。<br>すべて実食! 自慢の手土産 #120

    「すや」の栗きんとん。
    すべて実食! 自慢の手土産 #120

    接待と手土産

    2023.11.30

  3. トラベルエディターが語る、<br>ハワイとニュージーランドの魅力。

    トラベルエディターが語る、
    ハワイとニュージーランドの魅力。

    週末の過ごし方

    2023.12.01

  4. INIがまとう、エンポリオ アルマーニの“自由な精神”。

    INIがまとう、エンポリオ アルマーニの“自由な精神”。

    特別インタビュー

    2023.11.30

  5. 横浜中華街『保昌』の町中華カレーにハマっチャイナ!<br>マッチと町中華【第8回】

    横浜中華街『保昌』の町中華カレーにハマっチャイナ!
    マッチと町中華【第8回】

    週末の過ごし方

    2023.11.24

紳士の雑学