お酒

ワイン業界を牽引してきた重鎮が造るニュージーランドのNo.1ワイン
クメウリバー エステイト シャルドネ2016
[今週の家飲みワイン]

2019.01.25

小松宏子 小松宏子

ワイン業界を牽引してきた重鎮が造るニュージーランドのNo.1ワイン<br>クメウリバー エステイト シャルドネ2016<br>[今週の家飲みワイン]

「世界中を見渡しても、クラシックな造りでここまでクオリティーの高いシャルドネを、5000円未満で探すのは難しいですね」と梁さんが太鼓判を押すクメウリバーは、ニュージーランドを代表するワイナリーのひとつだ。

その起源は、ユーゴスラビアから移住したプロコヴィッチ一家が、1944年にオークランドの北西約20kmにあるクメウ地区に設立した小さなワイナリーに始まる。この地は古くはニュージーランドの、ポートやシェリーなどの酒精強化ワインの生産が主だった。そうした環境のなかで、初のシャルドネの栽培に成功したワイナリーでもある。

また、3代目当主となるマイケル・プロコヴィッチは、ニュージーランド初のマスターオブワインを取得するなど、ニュージーランドワイン業界をリードしてきた重鎮。彼の努力により、クメウリバーのシャルドネをニュージーランドが世界に誇るクオリティーに押し上げた。

1050_週末家のみ02_2019

なかでもセカンドラインである「クメウリバー エステイト シャルドネ」は、クメウ地区の6つの異なる畑から最高のぶどうを選別し、手摘みで収穫。房ごとプレスしたのち、フレンチオーク樽で野生酵母により発酵させる。その後、マロラクティック発酵に移行し、11カ月間樽熟成させて仕上げる。

「リッチで美しい凝縮感、ピーチやヘーゼルナッツの風味、シルキーなテクスチャーは見事です。ブラインドテイスティングをしたら、ソムリエでもムルソーなどブルゴーニュのシャルドネと間違う可能性がありますよ。私も自信ありません(笑)。セカンドラインでこれですから、本当にすごい。コスパ、良すぎですよ」と梁さんも感心する完成度の高さなのだ。

また、単一品種のワインはテロワールの影響がより大きく出るものである。ともすると、ニューワールドの気合の入りすぎたシャルドネは濃くなりすぎるという傾向があるなかで、いきすぎない、抑制されたエレガントなワイン造りはさすがである、とも。

1050_週末家のみ03_2019

マイケル・プロコヴィッチの努力により、いまや、クメウリバーはブルゴーニュスタイルのシャルドネの造り手として名実ともにナンバーワンワイナリーになったと言われている。シャルドネ好き、また、ニュージーランドにはソーヴィニョン・ブランしかないと思っていた人には、ぜひとも試してほしい一本だ。

<<Sato リースリング 2012

  タン イン グルーヴ クレイヴィン ピノ・ノワール>>

「今週の家飲みワインまとめ」はこちら

Photograph:Makiko Doi

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. ユニクロの最強コラボTシャツを知っている?<br>ピカソ&マティスの作品がプリントされていて神プライス。<br>ファッショントレンドスナップ213

    ユニクロの最強コラボTシャツを知っている?
    ピカソ&マティスの作品がプリントされていて神プライス。
    ファッショントレンドスナップ213

    カジュアルウェア

    2025.05.13

  2. 町田啓太、動き続ける日々。

    町田啓太、動き続ける日々。

    特別インタビュー

    2025.05.16

  3. 「帝国ホテル 東京」のオーチャード。<br>すべて実食! 自慢の手土産 #146

    「帝国ホテル 東京」のオーチャード。
    すべて実食! 自慢の手土産 #146

    接待と手土産

    2025.05.01

  4. 「ブルガリ ホテル 東京」の季節のフルーツタルト。<br>すべて実食! 自慢の手土産 #147

    「ブルガリ ホテル 東京」の季節のフルーツタルト。
    すべて実食! 自慢の手土産 #147

    接待と手土産

    2025.05.15

  5. ディフェンダー<br>【クルマ選び、2025年の正解とは?】

    ディフェンダー
    【クルマ選び、2025年の正解とは?】

    週末の過ごし方

    2025.05.20

紳士の雑学