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『BEEF/ビーフ~逆上~』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #47

2023.05.11

『BEEF/ビーフ~逆上~』<br>いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #47

BEEFという言葉を聞いて、まず大半の人は牛肉を思い浮かべるだろう。しかし、このドラマのタイトルで言うところの“ビーフ”は、「不満」「けなす」「挑発」……いわゆるディスり合いのことを意味している。

このスラングが誕生したきっかけは、1984年のウェンディーズのテレビCM。高齢の女性たちが大きなバンズの中にちょこんと載ったパテに対し、「Where’s the beef? (肉はどこ?)」と言ったことから始まった。

他社のハンバーガーに対して挑発的なCMがきっかけで、中身のない話をしている人に対して「Where’s the beef? (何が言いたいの?)」のように使ったり、ラッパー同士がリズムに乗せてお互いをディスるラップバトルのことをビーフと言うようになった。

A24制作の『BEEF』は、小さなトラブルから始まった罵り合いが、やがて周りの人間まで巻き込み、人生をも左右する大事件にまで発展するブラックコメディー。

何かと運が悪く「便利屋」の仕事もうまくいかず、しかも家には働かずに毎日ゲームばかりしている弟を抱えている主人公のダニー。もう無理だ……と絶望し自らの人生を終わらせようと炭火コンロを買い、思いとどまり返品することを繰り返していた。

あるとき、レシートを忘れ返品することができなかったダニーが、イライラしながら車を出そうとした瞬間、急に車が突っ込んできた。追突は避けられたものの、相手の車は過剰なまでにクラクションを鳴らしつづけ、オマケに中指まで立ててきたのだ。ダニーは「絶対に相手の顔を見てやる!」と激高。閑静な住宅街でカーチェイスにまで発展するも、あえなく逃げ切られてしまった。

諦められず、車のナンバーを照会できる違法サイトで住所を調べ、嫌がらせをしようとその家へ。煽ってきた相手は、意外にも何不自由なく暮らしていた起業家のエイミー。ダニーは修理業者のフリをして家に入り込み、とんでもなく子どもじみた復讐をするのだった……。

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