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ファッション トレンド スナップ11
「グレースーツの着こなしをサヴィルロウに学ぶ」

2017.10.10

写真・図版 大西陽一

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今回は、9月の中旬にロンドンに行ってきましたので、その速報をお届けします。

まずは、スーツ発祥地ロンドンのサヴィルロウで目についたスーツスタイルをピックアップ。先頭バッターはこのグレースーツのジェントルマン。

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スリーピースのように見えますが、実はツーピース。ベスト(イギリス流に言うとウェストコート)はよ~く見るとスーツ生地よりやや濃い色で、生地感も違っています。

ここにベストが無いと、シャツの白の部分が増えあっさりとした印象で、なんてことないありきたりのコーディネートになってしまいます。

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このジェントルマンのグレーのシンプルコーディネートのポイントは、懐中時計のチェーンをベストのボタンホールに通しているところ。これがスパイスとなって淡白なスタイリングを味わい深いものにしています。

中央には、コインがつけられています。

こうしたベストのボタンにチェーンを通す着こなしは、1860年以降ロンドンではやった着こなしで、チェーンのことを「アルバート」と呼んでいたそうです。

ビクトリア女王のだんなさまのアルバート公(1819~1861)がよく愛用していたので、そう呼ばれるようになったとか。

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ピッティでは、チェーンだけをベストに付けアクセサリー感覚で使う人もいますがこの御仁はアンティークの時計をちゃんと付けていました。針先のデザインが、とても奇麗ですね!

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靴は黒のウィングチップ。パンツの裾には、折り返しはつけていません。

本来スーツが生まれた時代は、シングルと呼ばれる折り返しの無いスソが常識で、折り返して裏を見せるなど無作法極まりないなことだったようです。

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こちらのアーバン・ジェントルマンはチャコールグレーのスリーピース。

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ベストのボタンは、いちばん上は留めいちばん下は開けています。いちばん上を留めない着方もありますが、どちらが正しいという決まりはなく、上を留めているほうがよりフォーマルです。

ジャケットには腰ポケットの上にチェンジポケット(チケットポケット)が付いています。

今年は、このチェンジポケットがスーツのなかでの静かなトレンドになっています。とてもイギリスらしいデザイン。

こうしたディテールや伝統的なチェック柄などをイタリアのメーカーは巧みに採り入れ新しいトレンドをつくっています。この辺のアレンジ力はイタリアならではですね。

英国調でシルエットや着心地はイタリアンというハイブリッド・ブリティシュ・スタイルは、この先もしばらく続くトレンドです。次回は、最新ロンドンスナップからブリティシュ・スタイルをもう一度おさらいしたいと思います。

※参考文献 ヴィクトリア朝百貨事典(河出書房新社)

プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもマネできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウォッチを続ける。

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