週末の過ごし方
とろとろ卵のコクとキレ。身も心もほどける最強オムライス
[喫茶店ランチを愛す]
2018.08.21
![とろとろ卵のコクとキレ。身も心もほどける最強オムライス<br>[喫茶店ランチを愛す]](http://p.potaufeu.asahi.com/21c4-p/picture/13450952/a4e2bbd454585adea8e6f3e96a330713.jpg)
時代の荒波にもまれ、ニッポンのビジネスマンは今日も行く。だからこそ、ひと息つける安らぎの場所は確保しておきたい。そこで、喫茶店ランチである。心と体をほぐし、英気まで養える、そんな都会のオアシスを紹介していく。
完璧なたたずまいのオムライスである。頬張るごとに、卵の香りが口いっぱいに広がる。まず感じるのはコク。驚くことにそれがさらりとキレていく。
「脂肪分の違う2種類の生クリームを使ってるんですよ。ひとつは乳脂肪分18%、もうひとつは6%。風味はリッチでもしつこくなく、軽さを感じるのはそのせいだと思います」そう語るのは、オーナーの松嶋龍子さん。
ケチャップライスの具材は、玉ねぎとベーコンのみという潔さ。ほの甘い福神漬けが絶妙にマッチして、どれだけ食べ進めても飽きが来ない。
「男性ならぜひ大盛りを。さらにチーズのトッピングをおすすめします」
チーズはライスと卵の間に挟まれる。とろとろ卵にとろーりチーズ。それらを酸味のあるケチャップが引き締める。
「プラス¥400でオーダーできる、トーストやハーフカレーもどうぞ。甘いものがお好きでしたら、アップルパイ、レアチーズケーキ、ベイクドチーズケーキ。コーヒーゼリーはもちろん、いまの季節なら爽やかなレモンゼリーも人気ですよ」
さらに夏季限定でフラッペも! イチゴ、メロン、レモン。あずきに宇治金時、カルピスまで。絶品オムライスの傍らを、最強の布陣が固める名喫茶なのだ。
最後はアイスコーヒーで締めよう。グラニュー糖に熱々のコーヒーを注いでつくる甘いタイプ。酷暑でやられた体をじんわり癒やしてくれる。
歌舞伎座横。客足は絶えない。通しで営業しているので、混雑する時間をはずして行くことをおすすめする。
Photograph: Kitchen Minoru
プロフィル
本庄真穂(ほんじょう・まほ)
神奈川県生まれ。編集プロダクションに勤務のち独立、フリーランスエディター・ライターとなる。女性誌、男性誌、機内誌ほかにて、ファッション、フード、アート、人物インタビュー、お悩み相談ほか、ジャンル問わず記事を執筆。記憶に残る喫茶店は、山口県・萩にあるとん平焼きを出す店名のない喫茶店。福岡県・六本松の『珈琲美美』、神奈川県・北鎌倉の『喫茶 吉野』に通う。