旅と暮らし

現代アートを愛でながら昭和の真っ当なサンドイッチを
[喫茶店ランチを愛す]

2018.03.15

写真・図版 本庄 真穂

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「スペシャル・サンドゥイッチ」\900。ハンドドリップで丁寧に抽出した「はまの屋ブレンド」\800。フードメニューを頼んだ場合、プラス\400でコーヒーまたは紅茶が付く。下の「いちごパフェ」は¥1,300(コーヒーか紅茶が選べるセットは¥1,700)。日比谷店限定で、さらに苺の時期限定なのでお早めに(4月中旬まで。仕入れにより変更あり)。

時代の荒波にもまれ、ニッポンのビジネスマンは今日も行く。だからこそ、ひと息つける安らぎの場所は確保しておきたい。そこで、喫茶店メシである。心と体をほぐし、英気まで養える、そんな都会のオアシスを紹介していく。

アンドレアス・グルスキー、フランシス・ベーコン、バンクシー、そしてウォーホル。これら巨匠から新進気鋭作家まで、あまりにも希少な現代アートを、日比谷で鑑賞できるのをご存じだろうか。しかし、ここはギャラリーではない。「はまの屋パーラー」、喫茶店である。

本店は有楽町にある。45年の歴史に一度は幕を下ろしたものの、現オーナーが前店主の味を受け継ぐ形で復活。その2号店がこちらだ。前述のアートピースはオーナーのプライベートコレクション。それらが、昔懐かしいローテーブルのカウンター、レトロなベロア素材の椅子など、こだわり抜いた純喫茶の什器と同居している。現代アートと昭和。モダン&ノスタルジー。奇妙な取り合わせのようでいて、居心地がいい。

「男性なら、スペシャル・サンドゥイッチはいかがでしょう。トーストしたパンに卵、ハム、野菜をサンドしたぜいたくなもの。女性なら、いえ男性こそ、期間限定のいちごパフェもどうぞ。大田市場から毎日届く新鮮な苺を使っていて、今日は千葉県産のやよいひめ。ジャムも毎日手づくりしています」と店長の持田正人さん。

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「おいしく作るコツですか? それを先代に聞いたことがあったのですが、特別なことはないよと。あるとしたら新鮮な野菜と毎日届く焼きたてのパンを使うこと。注文が入ってから卵を焼くことだと。作り置きをしない。真面目にシンプルに作る。それがおいしさの大前提だと学んだんです」

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「特別を作らないようにしている」という言葉にハッとする。フランクなアートのたたずまい、真っ当な食べ物へのこだわり、さりげないサービス。この絶妙なあんばいはどうだろう。場所は泣く子も黙る帝国ホテル、それもお隣のプラザ4階。開店から2年。粋を知る大人の男が、もうすでに安住の地としている新名店である。

<<男を魅了する、弾力系ナポリタン

  ふわふわ卵のサンドイッチ>>

Photograph:Minoru Kitchen

プロフィル
本庄真穂(ほんじょう・まほ)
神奈川県生まれ。編集プロダクションに勤務のち独立、フリーランスエディター・ライターとなる。女性誌、男性誌、機内誌ほかにて、ファッション、フード、アート、人物インタビュー、お悩み相談ほか、ジャンル問わず記事を執筆。記憶に残る喫茶店は、山口県・萩にあるとん平焼きを出す店名のない喫茶店。福岡県・六本松の『珈琲美美』、神奈川県・北鎌倉の『喫茶 吉野』に通う。

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