旅と暮らし

今週の家飲みワイン
丸みがありながら、清らかで凛(りん)とした
「ルフレーヴ・マコン・ヴェルゼ」

2018.01.12

写真・図版 小松宏子

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“家飲みワインを進化させたい”。そう願っている酒好き、ワイン好きは多いことであろう。そこで、アエラスタイルマガジンでは、ソムリエが家で飲みたいワイン、実際に飲んでいるワインを、テーマに沿って毎週1本ずつ教えてもらおうと考えた。価格は手の届きやすい、3000円台くらいを中心に。イノベーティブな料理で注目を集める「TIRPSE(ティルプス)」のオーナーソムリエであり、レストランプロデューサーとしても活躍する大橋直誉さんに指南をお願いした。

シャルドネを少しばかり勉強したいと思えば、まずは、その発祥の地ともいえる、ブルゴーニュのシャルドネから攻めるべし、という大橋さん。自信を持って選んでくれたのが、「ルフレーヴ・マコン-ヴェルゼ」だ。

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ワイン好きであれば聞いたことがある人も多い、ドメーヌ「ルフレーヴ」。「世界一白ワイン造りがうまいと言われている醸造家です。ブルゴーニュのなかでも白ワインの最高峰、ピュリニー地区で、500年も歴史をさかのぼれるほどの名門、世界的に評価が高くなってからも優に100年は経つと言われます。2006年にはイギリスのワイン雑誌「デキャンター」で世界一のワインメーカーに選ばれました。“造り手を飲むもの”と言われるほど、「ルフレーヴ」のワインにはスタイルがあるんですね。最高峰のモンラッシェから、このマコン-ヴェルゼまで、共通の香りというものが感じられます」と、大橋さんは言う。

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“ルフレーヴならでのスタイル”とは、テロワール(土地の特質)の個性を最大限に引き出すということ。そのために、時代に先駆けて、20年も前からビオディナミ農法を実践してきたのだという。それはドイツのシュタイナーが提唱したもので、平たく言えば、天体の運行に従って農作業を行い、農薬や化学肥料を控えた自然な栽培をよしとするもの。これによって、土壌そのものが活性化し、ぶどうにも力が宿る。だからワイン造りにおいては、祝福された土地にできる愛しきぶどうたちの持ち味を素直に、余すことなく引き出してやるだけで、一切のストレスがなく、透明感のあるクリーンな、あくまでも品のいいルフレーヴならではのスタイルが実現できるのだとか。

しかしながら、完成度の高さに比例して、価格もウナギのぼり。それを憂えたオーナー、マダム・ルフレーヴは、「自分たちのスタイルを多くの人に楽しんでもらいたい」と、同じ白ワインのなかでも大衆的な、マコン地区にも畑を購入し、リリースしたのがこの「マコン・ヴェルゼ」だ。テロワールは違えども、長年培われたルフレーヴのエッセンスが完璧に表現されている。「すーっと透き通るようなきれいな味わい、ほのかな品のいい甘みと、軽やかな酸味。すごくバランスがいいので、ピュリニーと間違うほどですよ」と大橋さんも絶賛する。2004年に初リリースされて以来、進化を続けているそうで、今回の2014も素晴らしいとお墨付き。最高級のピュリニー・モンラッシェでは、50万円ともいわれるその評価が、マコン・ヴェルゼであればネット上で3000円台から買えるというのだからなんともうれしい。試さずにはいられない一本だ。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

<<ピエール・ペテルス

シャトー・ド・ ベル シャブリ>>

Photograph:Makiko Doi

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