旅と暮らし

すべて実食! 自慢の手土産。#24
「九段一口坂 さかぐち」の京にしき

2019.05.13

写真・図版

見た目のインパクトだけではない。味も風格も兼ね備えた老舗の名品

初めて「九段一口坂 さかぐち」の「京にしき」をいただいたとき、忘れないうちにとすぐに“マイ手土産リスト”に追加した。何と粋でセンスのよい手土産なのかと贈り手のことを考えながら、ひたすら食べつづけた記憶がある。

筆者の心を鷲づかみにしたその手土産は、缶入りのせんべい。ふたを開けると、黒々としたものが目の中に飛び込んでくる。海苔の巻かれた3センチ強の四角いせんべいが、縦にみっしりと並べられているため、真っ黒なのだ。そのインパクトに圧倒された後、どうやって詰めたのだろう? 誰がこの斬新な詰め方を思いついたのだろう?という難問まで提供してくれて、心に「さかぐち」の名前は刻み込まれたのだ。

「九段一口坂 さかぐち」は、千鳥ケ淵や靖国神社にも近い九段の一角に位置するあられ、かきもちの専門店。店内には形、大きさ、味のバラエティーに富んだ50~60種類の商品が並び、好みの品を詰め合わせしてくれる。多店舗展開する店が多いなか、ほかへの出店はなくこの1店舗のみ。あられ、かきもちやせんべいは鮮度が大切なので、鮮度管理を徹底するために一店舗主義を守っているのだそうだ。

自分用にはいろいろな種類のあられやかきもちを購入するが、手土産に関しては浮気もせず、「京にしき」に決めている。職人の手で丁寧に焼かれたせんべいは香ばしく、控えめな醤油味が米のうまみを引き立てる。せんべいを覆う厚みのある海苔のパリッとした食感、ひと口でパクっといけるサイズ感が絶妙で、サクサクと何枚でも食べられる。米と醤油と海苔という日本人にとって鉄板の組み合わせは、濃く入れた日本茶と合わせると悶絶ものだ。

パッケージは型絵染作家の鳥居敬一氏のデザイン。風格のある外観も高評価だ。缶にぎっしりと詰められたせんべいは、なかなかの分量だが、しけないようにジッパー付き保存袋が付いてくる。最後までおいしく食べてほしいという60年以上つづく老舗の想いが感じられる。

風格のあるパッケージ、インパクトのあるビジュアル、米のうまみと醤油の香ばしさと海苔の香り。三位も、四位も一体になった「京にしき」は、ふだん使う手土産としてだけではなく、日本らしさを表現した食べ物として海外の人にもおすすめだ。

写真・図版

九段一口坂 さかぐち
東京都千代田区九段北4-1-5
営業時間/9:30~19:00(土曜は17:00まで)
定休日/日曜・祝日
価格/京にしき缶300g入り4320円 ※価格は税込み
問/03-3265-8601
http://www.stage9.or.jp/sakaguchi/

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Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Keiko Katanozaka
Edit & Text:Mayo Morino

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