カジュアルウェア

突然のサングラス姿でも、何も言わないで。
[渋谷直角 男が憧れる、男の持ち物。]

2021.01.27

写真・図版
秋冬はシックなカラーを選んでアクセ感覚で身に着けたい。(上から)眼鏡¥27,000、クリップオンサングラス¥14,000/ともにアイヴァン(アイヴァン PR 03-6450-5300)、スクエアサングラス¥42,000/アイヴァン 7285(アイヴァン 7285 トウキョウ 03-3409-7285)、ブロウサングラス¥37,000/オールドジョー グローブスペックス オプティカル コー(グローブスペックス エージェント 03-5459-8326)、メタルフレームサングラス¥45,000/アヤメ(ayame 03-6455-1103

多才でいてファッションフリーク、渋谷直角の愛用品からそのセンスを探ってみる──。

ファッションの最初の難関は買った服を「初めて着て人と会うとき」。デートなり学校の友人と遊ぶなり「大丈夫か、俺のセンス。変だと言われないか?」みたいな緊張と不安がめちゃめちゃありましたよね。第一声で「今日はどうした?」なんて言われたらもうビビりまくり。「いいじゃん、それ」と言われたときの、天国にも昇るようなうれしさ。まだ「自分の型」、ファッションスタイルが決まる前は、他人にどう見えるかってすごく意識してしまいますよね。

45歳にしてそんな気持ちを思い出させてくれるのが「サングラス」という存在です。今年、新しいサングラスを買ったのですが、もう人に会うときがド緊張。海やバカンス的な場所ならともかく、日差しも強くない秋冬の、東京の街中でのサングラスデビューというのは、明らかにひとつキャラが乗っかるじゃないですか。「何か言え」と言わんばかりじゃないですか。

でもずっと、藤子不二雄A先生に憧れて、晴れてマンガ家になれた自分としては、サングラスは憧れであり、いつ移行しようかをずっと悩ませているアイテム。常にサングラス姿でなくてもいいのですが、その半端さもきっとダメなんでしょう。いつも着用して行っては、人と会う前にこっそりはずしてしまう。勇気が出なくて。

そんなの気にせず「俺はこのスタイルだよ」なんて堂々としていれば、周りも見慣れて、自分も違和感なくなるのに。それはわかっているのに。たぶん「ただ、藤子不二雄A先生のマネしてるだけじゃん」という軽薄さが、その決心を鈍らせているのです。若いうちならまだしも、45歳にもなってキャラ変するの?と思われる恥ずかしさも。やっぱりやめとく? でもやっぱり、サングラスが似合う人ってカッコいいんですよね。また来年、チャレンジしてみるか。そういう「いつか」の楽しみがまだまだあるのも、ファッションの面白さですよね。

<<高いニットを買うべきだというその理由。 はこちら

「アエラスタイルマガジンVOL.49 HOLIDAY 2020」より転載

Photograph: Tetsuya Niikura(SIGNO)
Styling: Masahiro Tochigi(QUILT)

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