週末の過ごし方

貴島明日香さんと行く、ニューノーマル時代の“一人飲み”案内。
第5回 下北沢 胃袋にズキュン はなれ

2022.11.30

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誰かに気兼ねすることなく、のんびりとお酒をたしなめる“一人飲み”。何を注文しようが、何軒ハシゴしようが構わない自分だけの世界は、黙食にも有用とあって時流にかなっています。そこで、一人つつましく飲酒できる都内のお店やスポットを、お酒が大好きと語るモデルおよび女優の貴島明日香さんを誘って一緒に巡るとしましょう。

最終回は、第4回で紹介した「発酵デパートメント」と同じく、下北沢の商業施設「ボーナストラック」内にあるスイーツとお酒のお店「胃袋にズキュン はなれ」を訪れます。「和菓子は好きだけど、普段、洋菓子はほとんど食べない。」と語る貴島さんに、未知なるペアリングを体験してもらいます。

「胃袋にズキュン はなれ」は、“日本の魅力を再発見する”をコンセプトに、お酒に合う和の焼き菓子と、クラフトビールやワイン、蒸留酒ソーダなどを楽しめるお店。

この日、昼間は汗ばむほどの陽気でしたが、19時を過ぎるころにはとても過ごしやすい気温に。建物のあいだを通り抜ける夜風が心地よいテラス席で、シメとなる逸品を味わいます。ほうじ茶とジンのパウンドケーキや和山椒のスノーボールなど、お酒との相性を考えて開発された豊富なメニューのなかで、貴島さんはスパイスを効かせたキャロットケーキと、高知産 ジンジャーサワーをオーダー。一方、パリッコさんはお店のシグネチャーでもある、はなれのバスクチーズケーキとジンのソーダ割をチョイス。

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「お酒に合う焼き菓子ってどういうものなんだろ」と、最初はいぶかしげな貴島さんでしたが、ひと口食べるとその表情は一変。

「これはめっちゃおいしいわ! しっかりと甘みもあるんだけど、スパイスの香りが効いていてクセになりますね。中に入っているクルミや人参の食感もすごく楽しいです」と思わず関西弁も飛び出します。複雑かつ重層的な風味を演出するミックススパイスは、系列店である「カレーの惑星」で特別に調合したもの。偶然にも貴島さんがプライベートで通うお気に入りのカレー屋なんだとか。

気になるお酒との相性はどうでしょう?

「抜群に合いますね。少し甘めのジンジャーシロップが、スパイシーなケーキの味をグッと引き立てるんです」とご満悦の様子。

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方や、パリッコさんが頼んだチーズケーキはというと……。

「最初のひと口は完全にチーズケーキなんですけど、鼻に抜ける芳醇な香りは“あれ?芋焼酎を飲んだっけかな”と思うほどです」と、こちらも気に入ってくれたようです。飲兵衛としてのキャリアは、貴島さんよりかなり先輩のパリッコさん。

「若い頃は甘いものとお酒なんて合わないと思っていましたけど、チーズとレーズンの組み合わせとか甘みをアテにすることを覚えると、飲み方の幅がぐっと広がりますよね」

「とはいっても、最近は味覚もだんだん怪しくなって、僕なんかグミとチューハイを合わせたりしますから(笑)」と、いささかトリッキーな飲み方をご教授。誰もがその奇妙なマリアージュを脳内で変換し、やっぱり諦めかけた瞬間、貴島さんから思わぬ助け舟が出ます。

「いやいや、グミは結構合うんですよ! 私も時々ポイフルをウイスキーにぶっ込みますから(笑)」

撮影開始からここまで既に5杯以上のジョッキを飲んでいる彼女。顔にこそまったく出ませんが、ほろ酔いも手伝ってか“ぶっ込む”という随分ラフな言い回しに、周囲も大きな笑いに包まれます。

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普段のテレビや雑誌では決して見ることのできない、意外な一面が顔をのぞかせた瞬間でした。ノーブルなたたずまいに潜む茶目っ気のあるキャラクター。“ギャップ萌え”なんて言葉を使うのはなんだか気恥ずかしいですが、お酒を飲む楽しさや和やかな酒場の雰囲気が、彼女の心をじんわりと解きほぐしてくれたのは間違いありません。

〈貴島明日香(きじま・あすか)〉
1996年2月15日生まれ。兵庫県出身。高校在学時にモデル活動をスタートし、神戸コレクションやガールズアワードなどで活躍。2017年に『ZIP!』(日本テレビ)の第7代お天気キャスターに就任すると、ORICON NEWSの「好きなお天気キャスターランキング」で1位を獲得。2022年3月に同番組を卒業するまでおよそ5年間勤め上げ、歴代在任最長記録を更新する。現在は、『non-no』(集英社)で専属モデルを務める傍ら、ドラマ出演やABEMA公式アナウンサーとして活動するなど、多方面で活躍。ゲーム配信や愛猫家としての素顔を見ることができる自身のYouTubeチャンネル『あすかさんち。』は、登録者数45万人を誇る。

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〈パリッコ〉
1978年東京生まれ。酒場ライター、DJ/トラックメイカー、漫画家/イラストレーター、他。2000年代後半より、お酒と酒場関係の執筆活動をスタートし、雑誌やWEBサイト、テレビ番組などさまざまな媒体で活躍。著書に『酒場っ子』『ノスタルジーはスーパーマーケットの2階にある』(共にスタンド・ブックス)、『晩酌わくわく!アイデアレシピ』(ele-king books)など多数。最新刊となるスズキナオ氏との共著『ご自由にお持ちくださいを見つけるまで家に帰れない一日』(スタンド・ブックス)が現在、好評発売中。

〈訪れた場所〉
胃袋にズキュン はなれ
下北沢にある人気ビストロ「胃袋にズキュン」の姉妹店として、2020年「ボーナストラック」内にオープン。今回、紹介した焼き菓子のほかにも、季節限定のスイーツや催事に合わせたフードメニューなどを展開。お菓子やドリンクメニューを含めて、全商品テイクアウトにも対応している。

東京都世田谷区代田2-36-13 BONUS TRACK内
TEL:080-5885-8700
営業時間:11:00〜20:00
定休日:年末年始
www.instagram.com/hanaretemo.stomackyuuuuun/

〈パリッコのここがおすすめ〉
夜の「ボーナストラック」はさらに魅力を増し、幻想的なちょうちんの下にテラス席が並ぶ様子はどこか浮世離れしていて、そこで思い思いに飲食を楽しむ人々の姿がまたいいですね。そしてなにより「胃袋にズキュン はなれ」の、スパイスやお酒をふんだんに使ったスイーツと、独創的でおいしいお酒のマリアージュ! いつも漫然とお酒を飲んでいることを思わず反省してしまう体験でした。

「貴島明日香さんと行く、ニューノーマル時代の“一人飲み”案内。」の一覧はこちら

Photograph:Satoru Tada(Rooster)
Styling/Hair & Make-up:Yusuke Hashimoto(TRAPEZISTE)
Text:Tetsuya Sato

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